マゾ奴隷になる

僕を奴隷にしたのは、SMの世界では調教師として有名な彩様と言う方で、
彼女の目には殆んど狂いがなく、これまで見出してきた者は、マゾとしての資質のあるものばかりだった。
ただ、本人はそのことに気づいていない者も多く、僕のようにいきなり指摘され、戸惑う者も少なくなかった。

調教師とは、男性でも女性でも自分の中にあるマゾ性を見つけ出し、
厳しい躾や調教によって、立派なマゾに育ててしまう人のことを言う。
ただ、いくら調教師の腕が良くても資質のないものは調教しても無駄だ。
だが、彼女が真性マゾであると目を付けた人間なら殆んど間違いはなかった。
そして、彼女によって厳しく調教された者は、
その後、マゾヒストとして、S女性や男性の奴隷として高額で引き取られていった。
日本ばかりでなく、海外へ売られていく者もいる。
ただ、奴隷となった者は既に人間としての意思は無い。
身も心も奴隷に変えられてしまうのだ。

彼女は、自分の欲しいものは必ず手に入れるという人で、それからもたびたび僕の前に現れた。
「貴方がマゾだということは分かっているの。
だから私が優秀な奴隷として飼育してあげる。すぐに私の所にいらっしゃい」と会う度に私に言った。
「何度いらっしゃっても僕にその気がないんですから無駄です。
僕は奴隷になる気はありませんから」とは言ったものの、次第に彼女に惹かれていった。

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